ツナグ(映画)ネタバレとあらすじ!結末とキャストも
今夜21時00分からの「金曜ロードSHOW!」に、松坂桃李さん主演の映画『ツナグ』が放送される。
直木賞作家・辻村深月さんによる同名小説を実写化したファンタジードラマが公開されたのは、2012年10月6日。
生きる者と死んだ者を再会させる使者・ツナグの見習いを務める高校生が、その不思議な職業を通じて他人の人生に深くかかわっていく。
今回は、使命を背負った高校生の「葛藤」と「成長」を描く感動作・『ツナグ』のネタバレとあらすじ、豪華キャストをご紹介したい。
目次
映画「ツナグ」キャスト
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映画「ツナグ」あらすじとネタバレ
すれ違いながらも「交錯」する人びと
男子高校生が通学電車に乗り、
別の電車には寂しそうな表情のサラリーマンが乗っている。
その電車の横を、遅刻しそうな女子高生2人が自転車で坂道を登っている。
家の人が閉め忘れたのかな。
もう少し寒くなったら道が凍って危ないね。
濡れている路面に気がついた1人の女子高生が、自転車を降りて蛇口を閉めた。
高校生の歩美は、生きる者と死んだ者を再会させる使者・ツナグの跡継ぎ。
歩美は幼い頃に両親を亡くしており、ツナグである祖母のアイ子と2人で暮らしている。
人間は、みんないつか必ず死んでいく。
死んでいった人たちは、一体どこに行くんだろう。
僕たちの目には見えない、どこか違う世界に行くんだろうか。
伝えられなかった、母への後悔
歩美が初めて担当することになったのは、工務店を経営している畠田だった。
畠田は亡き母のツルに会いたいと依頼してきたが、いきなり歩美を詐欺師扱いし、『窓口』であるツナグに半信半疑だった。
畠田がツルに会いたい理由は、「土地の権利書」の保管場所を聞くため。
歩美は畠田に“ルール”を説明し、アイ子の指示通りに2人を再会させることになった。
・死者と会えるのは一生のうちに1回だけ(指名された死者も同じ)
・死者が会うことを拒否した場合、1回だけの機会は消失
死者と会えるのは「月の出る夜」。
歩美は「品川バンドホテル」で畠田と待ち合わせ、『会えるのは夜の間だけ』だと伝えた。
ずっと半信半疑の畠田がドアを開けると、そこには亡き母が立っていた。
畠田は「土地の権利書」を理由にしていたが、ツルはそんな畠田の本心を見抜いていた。
本当は、どうしたんだい?
母ちゃんは、自分の病気のこと知ってたのか?
畠田はツルが癌であることを告知していなかった。
息子にもそのことを責められ、病気のことを知っていたら、「残りの人生を有意義に過ごせたのではないか?」とずっと悩んでいた。
しかし、ツルはそのことに気づいており、「あんたの優しさだったんだろ?」と言った。
子供にも孫にも恵まれて、私の人生は幸せだった。
苦しかっただろう?そんなこと一人で背負って。
よかったんだよ。あんたが決めたんだから。
私は、何の後悔もないよ。
畠田はおばあちゃん子だった息子と「うまくいってない」ことも相談したが、ツルは畠田の手を握りながら「お前に似て優しい子だ」と言った。
目を背けないで、ちゃんと見てあげなさい。
あんたも人の親なんだから。
いつしか夜が明け、ツルは『呼んでくれてありがとう』と言って姿を消した。
その後、畠田はロビーで待っていた歩美に「本物だとだまされそうになった」と言った。
しかし、畠田は歩美に名刺を渡し、「どうもありがとう。何か困ったことがあったら、いつでも連絡してくれ」と深々と頭を下げた。
裏切られた、親友への殺意
歩美と同じ高校に通う嵐と御園は、演劇部に所属する「親友」。
御園は歩美のことが好きだったが、実は嵐も歩美のことが好きだった。
そんな中、演劇部でチェーホフの「桜の園」公演が決定し、各俳優のオーディションが始まる。
一番でなければ気が済まない性格の嵐は、主役のラネーフスカヤ役に立候補するが、嵐の予想に反して親友の御園も立候補した。
その後、嵐が部室に入ろうとした時、御園が「私には絶対にかなわないと思う」と部員たちに話しているのを聞いてしまう。
さらに、ラネーフスカヤ役には御園が選ばれ、嫉妬した嵐は「親友」である御園と距離を置くようになる。
そんな嵐は次第に御園を憎むようになり、『御園さえいなければ…』と考え始める。
帰り道、嵐が自転車で坂道を登っていると、御園の言葉を思い出して自転車を止めた。
家の人が閉め忘れたのかな。
もう少し寒くなったら道が凍って危ないね。
嵐は水道の蛇口を開け、御園は交通事故で亡くなってしまう…。
葬儀に出席した嵐は、御園の母親から御園の最後の言葉(嵐、どうして?)を聞かされた。
その夜、部員たちから「人殺し」と罵られる夢を見た嵐は、都市伝説の“ツナグ”を必死に検索した。
やがて嵐は、歩美の祖母のアイ子と連絡を取り、歩美が仲介を任されることになった。
歩美が待ち合わせ場所に向かうと、嵐は驚きながらも「御園に会わせて欲しい」と依頼した。
2人は再会の夜を迎えるが、嵐は「軽はずみな殺意」を打ち明けることができなかった。
ごめんね、御園。私…
どうしたの?嵐、どうしたの?
ごめん。ごめんね…ごめん。
御園は楽しかった思い出だけを語り、別れ際に嵐に言った。
“伝言ある?”って…歩美くんに聞いてくれる?
もし聞いたら、いつか教えて。
いつか…また会おうね。
嵐が御園からの言葉を歩美に伝えると、歩美は「『道は凍ってなかったよ』って…御園さんがそう伝えてほしいって」と答えた。
御園は嵐の罪を知りながら、楽しかった思い出話だけをしていた…。
御園は、私がしたことを知っていた。
なのに面と向かって私と話すことを拒んだ。
気まずい話題を避け、伝言の形で残した。
私が言えなかったばっかりに…
嵐は、『御園がくれたやり直せるチャンスを、また私が潰しちゃった』と言ってその場に泣き崩れた。
信じ続けた、婚約者への愛
病院で偶然「土谷功一」と出会ったアイ子は、土谷の抱える苦悩を一瞬で見抜いた。
土谷には7年前、『プロポーズの直後に失踪した婚約者』がおり、ずっと1人で待ち続けていた。
しかし、アイ子が探しだした婚約者・日向キラリは、名前も年齢も全て“嘘”だった。
ツナグに出番があるということは、キラリが死んでいると言うこと。
行方不明だったキラリは、土谷との「結婚」を両親に報告するため、実家に帰る途中の「フェリー事故」で命を落としていた。
土谷はキラリとの再会を最後まで悩んだが、座り込んでいる土谷を歩美が説得した。
彼女が死んだっていう事実が受け入れられない。
今どんな気持ちであの人が待ってるのか考えたのかよ!
彼女には、キラリさんには本当に今日しかないんだ。
キラリさんは、7年間あんたが自分を待ってくれたって聞いて、会いたいって。
会うことで忘れられても構わないから、あんたに先に進んでほしいからって。
つらいのは、キラリさんの方なんじゃないんですか?
そして土谷とキラリは再会した。
キラリは自分の生い立ちや「一目惚れ」だったこと、そして土谷と出会ってからどんなに幸せだったかを伝えた。
幸せになってね。
7年間も…土谷さんが私を待ってくれたって聞いて、ものすごく幸せだって思った。
ウソだらけの私を愛してくれて、ありがとう。
だからもう待ってなくていいんだよ。
夜が明けると、キラリは隠していた「遺品を親に届けてほしい」と言って姿を消した。
部屋に帰った土谷が“クッキー缶”の箱を開けると、その中には土谷と一緒に見た「映画の半券」と、そこで食べた「ポップコーンの空き箱」が大切に保管されていた。
人間は、みんないつか必ず死んでいく。
死んでいった人たちは、一体どこに行くんだろう。
僕たちの目には見えない、どこか違う世界に行くんだろうか。
僕たちの世界では、何かをする時、
目には見えない誰かに見られていると感じて、行動を決めることがある。
時には、あの人ならどうしただろうと、彼らから叱られることさえ望みながら日々を続ける。
きっと僕たちは…その人たちに支えられて、生かされているんじゃないだろうか。
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映画「ツナグ」結末
謎の死を遂げた、両親への疑問
ある晴れた日、歩美とアイ子は見晴らしの良い丘へ向かっていた。
そこでアイ子は「話さなきゃならないことがある」と言い出し、歩美の両親の『死の真相』について語り始めた。
しかし、歩美は家にあったツナグの資料から父・亮介が『ツナグ』だったことにすでに気がついており、アイ子は「一度ツナグを亮介に譲った」と告白した。
ツナグを譲る時、ツナグのことは家族にも誰にも話しちゃダメだって言った。
亮介には、香澄さん(歩美の母)にきちんと話をさせるべきだった。
ツナグのことをきちんと説明していれば、亮介が香澄さんに疑われることはなかった。
香澄さんが、鏡を見ることはなかったんだ。
ツナグの銅鏡は、誰にも見せてはいけないという掟があり、破った場合は「ツナグも鏡を見た者も死ぬ」との言い伝えがあった。
アイ子は「何が起こったか分からない」と語り、『私のせいなんだ。ごめん…』と言った。
すると歩美は、しばらく考えてからこう答えた。
父さんはたぶん、自分がツナグだったこと母さんに話していたと思う。
ばあちゃんに口止めされても、父さんは母さんに話してた。
でも父さんは、母さんを怖がらせないように鏡を見たら死ぬってことまでは言わなかったんじゃないかな。
父さんはじいちゃんが死んだ後、ケンカしたままだったことを後悔してた。
母さんは、そんな父さんを見て胸が痛かった。
自分と結婚したせいで、後悔してる父さんを救ってあげたいって。
母さんはきっと…父さんのことを思って、
もう一度じいちゃんに会わせてあげたいって思ったんじゃないかな。
母さんは父さんを疑ったりしない。父さんと母さんは、優しい人たちだったんだ。
頑張れって…いつも俺を応援してくれてる。
だから…ばあちゃんのせいじゃないよ。
その後、ツナグを継ぐ儀式は誰もいない浜辺で行われた。
僕の目の前からいなくなった大切な人たち。
ただ…僕の目には見えないだけで、ずっとそばにいる。
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