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黄金寺院?食事が無料で提供される映画にもなったインドの寺院とは?

   

昨年の9月に公開された映画『聖者たちの食卓』。この映画は、インドのシク教総本山にあたるハリマンディル・サーヒブ「黄金寺院」にて毎日10万食におよぶ食事が無料提供されている様子が描かれているドキュメンタリー映画だ。人種や階級、宗教も関係なく誰もが食事を振る舞われる寺院とは?

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出典:twitter.com/fujicinema

無料食堂「グル・カ・ランガル」

『グル・カ・ランガル』は600年も続けているという無料食堂。インド北西部に位置するパンジャブ州の都市、アムリトサルにある黄金寺院内にある。「ハリマンディル・サーヒブ」と呼ばれるここは、シク教で最も重要な聖地、巡礼の地であり、観光スポットとしても有名な場所だ。

2 黄金寺院

出典:twitter.com/zekkei_gazou_1

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なぜ無料で提供しているのか?

シク教とは、16世紀にグル・ナーナクがインドで始めた宗教。シクは弟子、グルは導師を意味する。このグル・カ・ランガル(共同食堂)は、シク教の“宗教、カースト、肌の色、信条、年齢、性別、社会的地位に関係なく、すべての人々は平等である”という教義を守るために考案された500年近く続いている習わしだ。しかし、ここは悲劇の地としても知られている。一つ目の悲劇はイギリス支配時代の1919年。 令状なしの逮捕、裁判抜きの投獄を認める「ローラット法」の成立に反対したインド人たちが、抗議のために黄金寺院の脇にある広場に集結。イギリス軍は見せしめのために、非武装の彼らに対し発砲し、400人以上が死亡する惨事となった。もう一つは、1984年、当時の首相インディラ・ガンディーに対するシク教徒の過激派による反政府運動が起こる。激しい衝突のため、軍隊を黄金寺院へ突入させ、数百人の死者がでる(ブルースター作戦)。その後、シク教を冒涜したとして、インディラ・ガンディーは暗殺される。 パンジャーブ州の過激派反政府運動家たちは、現代も活動を続けており、30年の節目を迎える追悼の式典では、シク教徒同士の衝突が起こった。そうした歴史に翻弄されながらも、無料で食事は提供されていた。

出典:http://www.uplink.co.jp/

皆で整列して食べる

一度に5千人は食事が出来るとゆうとてつもなく広い食堂に、利用者は入り口で靴を預けて足を清め、頭にターバンもしくはタオルを巻くのがここのマナーだ。床に整列して座ると、1枚ずつ渡されたプレートに薄焼きのパン(チャパティ)や豆カレーなどが配られる。

食事風景

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メニューは臨機応変に変わる

この食堂では300人もの人が無償で働いていて、全て手仕事で手際よく調理や後片付け作業をする。毎日忙しい食堂のキッチンには冷蔵庫を初め、近代的な調理器具はない。ひとつの食材がなくなれば別のものを使用するなどして、1日に6、7回とメニュー変更される。キッチンでは様々な食材を臨機応変に使用して提供しなければ、とてもじゃないがスピードが追いつかないのだろう。

黄金寺院 パン焼き

食堂 調理場

出典:twitter.com/uplink_els

気になる味は?

「聖者たちの食卓」を撮影した監督の一人、料理人でもあるフィリップ・ウィチュス監督いわく、無料食堂の味付けは”シンプルでおいしい”そうだ。

またこの食堂で1日で必要な食材や燃料の量は、小麦粉2300kg、豆830kg、薪5000kgと想像も出来ないぐらい膨大な量が必要とされる。この食材や燃料などは全て寄付で賄われているそうだ。

 

『聖者たちの食卓』予告動画

 

この映画は毎日10万食にもおよぶ食事がどのように提供されるかを、ナレーションもなく淡々と映像で現実を投げかけてくる。毎日何千、何万とゆう人がこの食堂に訪れ、人が群がるのに混乱もなくきちんと統率がとれている様子は見ていて不思議なものだった。

「生きる」とゆうことは「食べる」とゆうことでもある。今は飽食の時代で外食はもちろん小腹が空けばコンビニにいっておにぎりでも買って食べればすぐにお腹を満たすことができる時代だ。だからこそ、今の食の豊かさや、家族で食事ができることの有り難みに、改めて感謝しなければならないと思わせてくれた。

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