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DESTINY鎌倉ものがたりネタバレとあらすじ!結末とキャストも

      2020/09/25

今夜21時00分からの「金曜ロードSHOW!」に、映画『DESTINY 鎌倉ものがたり』が地上波初放送される。

西岸良平さんの人気漫画・「鎌倉ものがたり」を山崎貴監督が映画化した“夫婦の愛の物語”が公開されたのは、2017年12月9日。

人間だけでなく幽霊や魔物たちも仲良く暮らす鎌倉で、新婚夫婦が数々の怪事件に巻き込まれていく。

今回は、堺雅人さんと高畑充希さんが年の差夫婦役で共演した感動のファンタジー・『DESTINY 鎌倉ものがたり』のネタバレとあらすじをご紹介したい。

「DESTINY 鎌倉ものがたり」キャスト

一色正和:堺雅人

 

一色亜紀子:高畑充希

 

本田:堤真一

 

死神:安藤サクラ

 

貧乏神:田中泯

 

キン:中村玉緒

 

本田里子:市川実日子

 

ヒロシ:ムロツヨシ

 

稲荷刑事:要潤

 

川原刑事:大倉孝二

 

恐山刑事:神戸浩

 

大仏署長:國村隼

 

一色絵美子:鶴田真由

 

女将:薬師丸ひろ子

 

瀬戸優子:吉行和子

 

優子の旦那:橋爪功

 

甲滝五四朗:三浦友和

 

「DESTINY 鎌倉ものがたり」あらすじとネタバレ

鎌倉に住むミステリー作家・一色正和のもとに、年若い亜紀子が嫁いでくる。

バイトで原稿を取りに行った亜紀子は正和と出会い、お互いに一目惚れからの結婚だった。

新婚旅行から戻ってきた2人は幸せの絶頂にあり、これから始まる新婚生活への期待で胸を膨らませていた。

二流作家の正和は、原稿の締め切りに追われるとすぐに「現実逃避」してしまう。

この日も正和は大好きな鉄道模型をいじっていたが、それは“完成”が近いという意味だった。

そんな正和と付き合いの長い男性編集者・本田はそのことを理解しており、遊んでいる正和を見て「先生、もうすぐですね」と言った。

その後、本田に原稿を渡して見送った亜紀子は、河童が庭を横切ったのを見て仰天する。

しかし、正和は平然と「ただの河童だろ」と言って亜紀子を驚かせ、鎌倉が不思議な街であることを説明した。

ここは鎌倉だぜ。

何千年も前からあらゆる妖気が溜まりに溜まってるんだ。

河童なんて普通にいるよ。

それを聞いた亜紀子は一人でトイレにも行けなくなってしまい、正和は怖がらせすぎたと反省した。

翌朝、正和は亜紀子に「絶対に納戸には入ってはいけない」と言い聞かせて外出した。

しかし物音がした亜紀子はどうしても気になり、そのまま様子を見に納戸に入ってしまう。

すると、中には正和の大好きな鉄道模型やプラモデルがたくさん積まれており、部屋を調べていた亜紀子はそこで年配の女性・キンと遭遇する。

キンは先々代から一色家を支えてきた家政婦で、嫁に来てくれた亜紀子に感謝の気持ちを伝えた。

その夜、帰宅した正和は9万円もする電車のダイキャストを購入しており、亜紀子は一色家に「お金がない」理由を察した。

また、亜紀子は正和が持っている『キーホルダー(牙)』の値段も問い詰めたが、正和は「それはタダだ」と説明した。

なんとこの牙っぽいものな、

僕が生まれた時この手に握っていたらしいんだよ。

一方の亜紀子は納戸で拾った原稿を正和に渡したが、正和はその原稿を見て大いに驚いた。

その原稿は作家・甲滝五四朗(こうたきいつしろう)の未発表原稿『反魂綺譚(はんごんきたん)』。

正和は『未完』に終わっている原稿を見て、「これ…絶筆じゃないか?」と言って残念そうに黙り込んだ。

その後、キンを駅まで見送った正和と亜紀子は、歩きながらキンの年齢について話していた。

キンは“自称85歳”だが、主人を「日露戦争」で亡くしていた。

どう考えても計算が合わない亜紀子は驚き、『軽く100歳超えてるじゃない!』と叫んだ。

亜紀子が驚いた顔のまま歩いていると、やがて不思議な縁日に遭遇する。

亜紀子は正和の手を引っ張って強引に入っていくが、そこは鎌倉に住む魔物たちの市場・「夜市」だった。

そこで2人は買い物に来ていた年配の女性・瀬戸優子と会い、知り合いだった正和は亜紀子を妻だと紹介した。

優子は『魔物専門のものだけは気をつけて』と言ってその場を去ったが、そこで亜紀子は「一山300円の松茸」を購入した。

その後、2人は夜市で会った瀬戸優子と帰り道で再会し、自身が「亡くなっている(幽霊)ことを説明された。

ウチには寝たきりの主人がいるでしょ。

あの人を残してあの世に行くのは心残りでね。

で、死神さんに頼み込んだのよ。

鎌倉にはね、幽霊申請ってのがあるのよ。

よんどころのない事情がある人は、死神局ってところから「生命エネルギー」を供給してもらえるの。

幽霊もはっきり実体化できて、普通の人のように生活できるのよ。

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翌日、亜紀子は夜市で購入した松茸でみそ汁を作った。

しかし、それを口にした正和が突然倒れ、口から煙のような魂を吐いて意識を失ってしまう。

それを見ていたキンは「魔界松茸」だと指摘し、正和の背中を叩いて体内に魂を戻した。

そんな中、鎌倉署の稲荷という刑事が正和を訪ねてくる。

正和は鎌倉署・心霊捜査課の顧問をしており、亜紀子に「いつものことだよ」と言って事件現場に向かった。

やがて大仏署長から事件の内容を聞いた正和は、被害者・金満麗子の霊から事情を聞いた。(降霊捜査)

資産家の麗子は灰皿で後頭部を殴られて亡くなっていたが、犯人について麗子は「分からなーい。後ろからやられたのー」と答えた。

そんな麗子は最近無茶な投資を繰り返しており、資産がかなり目減りしていた。

そこで正和は、そうなると「困るのは誰か?」と考え、別居状態の旦那・金満和夫に目をつけた。

しかし和夫にはアリバイがあり、同居する女性・恵子に事情を聞くと「夜の7時頃から1時間ほど2階に行きました」と言った。

また、和夫はアリバイ工作に自信があり、正和や刑事たちに対して挑発的な態度をとった。

あんたらみたいなボンクラになんか分かんのかなぁ?

あー、もうすぐこのボロ家ともおさらばか。

その後、和夫の部屋を調べた正和は、家のすぐ横を「江ノ電」が走っていることに注目する。

すると正和は通過する江ノ電に2階から飛び乗り、和夫が1時間で家から犯行現場を「往復」できることを証明してみせた。

やがて事件解決に貢献した正和のことが新聞記事になり、正和は亜紀子に軽く自慢した。

正和は続けて「夫婦だからって愛し合っているとは限らない」とつぶやき、亜紀子に自分の親の話をしようとする。

しかし話すのを途中でやめ、しつこい亜紀子に「ほっといてくれ!」と怒鳴ってしまった。

すると亜紀子は涙ぐみながら台所に立ち、正和もどうしていいか分からなかった。

その後、正和は馴染みの小料理屋・「静」に向かった。

すると人間だけでなく魔物たちも来店しており、女将は「企業努力しないとつぶれちゃいますから」と言った。

帰り道、正和は瀬戸優子とその夫にばったり会い、2人を引率する『死神』と話をした。

正和に死神の姿が見えた理由は最近死にかけたから(魔界松茸のみそ汁)で、優子と亡くなった夫は江ノ電で「黄泉の国」行きの電車に乗る予定だった。

正和は丑の刻になると現れる『幻の駅』を亜紀子にも見せようと考え、急いで帰宅した正和は亜紀子を誘って「現世駅」に向かった。

そこにやってきた電車は昭和55年に廃止された江ノ電のタンコロで、鉄道オタクの正和は大興奮だった。

やがて死神に連れられた優子と夫は仲良く乗り込み、正和と亜紀子に手を降りながら去っていった。

その後、正和は「家族の恥」として隠していた過去を亜紀子に話した。

親父は大学教授だったじゃないか。

だから時々、調査旅行で家を空けることがあったんだ。

そんな時、決まって母さんは毎日のようにどこかに出かけるんだ。

不思議に思ってある日、僕は母さんの後をつけてみた。

大人になってからその家を調べてみたんだ。

そこにはかつて、甲滝五四朗(亜紀子が納戸で原稿を見つけた作家)という作家が住んでいたそうだ。

正和は母の浮気を疑っており、自分は甲滝五四朗の『子供ではないか?』と考えていた。

その話を聞いた亜紀子は正和の肩にもたれかかり、「その話は忘れましょ。私いい奥さんになりますから…」と言った。

そんな中、正和と付き合いの長い本田が病で倒れ、医者から「もってあと1か月」の余命宣告を受けてしまう。

本田には妻・里子と幼い娘・浩子がおり、本田は自分が亡くなったあとのことを正和に頼んだ。

正和は瀬戸優子から聞いた『幽霊申請』の話をしたが、本田はあまり信じていなかった。

その後、亜紀子とキンが仲良く料理をしていると、調理中の魚に突然火がついて燃え始めた。

一方の正和は仕事がダブって依頼されており、その仕事はキャンセルされてしまった。

すると、何かの気配を感じたキンが「坊ちゃん…何か悪いものを連れてきましたな」とつぶやき、正和が竹刀で天井を突くと『貧乏神』が落ちてきた

すぐにキンが取り押さえて貧乏神を尋問すると、その貧乏神は亡くなった金満夫人にも取り憑いていた。

最近一色家に不運が続くのは貧乏神のせいだったが、そんな貧乏神にもお人好しの亜紀子は優しくした。

あ…パンのほうがよかった?

貧乏神になって800余年…

こんなに優しくしてもらったことははじめてやけ…

その後、病院へ本田のお見舞いに行った正和は、死神に連れられた本田を発見する。

本田は死神に幽霊申請の話をしたが、最近は「申請が多すぎる」との理由で断られてしまった。

死神はどうしてもこの世にとどまりたい本田に代替案を提示したが、それは『魔物への転生』だった。

その後、死神の「魔界転生コース」に飛びついた本田は、カエル男の姿になって正和を訪ねた。

そして家族のことがずっと気になっていた本田は、カエル男の姿では家族に会えないため正和についてきてもらう。

すると夫を亡くした里子と浩子は生活に困り、家賃の支払いも遅れている状況だった。

それを見た本田は郵便受けに現金と手紙を入れたが、里子は手紙の「字」が本田にそっくりだと驚いていた。

生前、本田さんに大変よくしてもらった者です。

わずかですが、暮らしに役立てていただければ嬉しいです。

一方、貧乏神との生活を楽しんでいた亜紀子は、この日も鎌倉名物・鳩サブレーを縁側で一緒に食べていた。

亜紀子は貧乏神が背負っている風呂敷の中身を見たがり、貧乏神は「たいした物は入っとらんよ」と言いながらも快く見せてくれた。

するとその中に骨董品の『茶碗』があり、亜紀子はなぜかその茶碗に興味を持った。

貧乏神は世話になっている亜紀子に何かあげたいと考えており、「もらってくれるかい?」と言って亜紀子に茶碗を手渡した。

申し訳ないと感じた亜紀子は貧乏神が気に入っていた100均の茶碗と交換し、貧乏神もその茶碗を喜んで受け取った。

その直後、貧乏神のところへ「次に取り憑く先の候補リスト」が届き、狙いを定めた貧乏神は名残惜しそうに一色家から去っていった。

短かったが、楽しい時を過ごさせてもらった。

もう行っちゃうの?

あんたもつくづく変わりもんじゃのう。普通は喜ぶところやけ。

ここは居心地よすぎてな。わしのような身の上の者には毒じゃ。

あんたに幸多からんことを祈っちょるよ。

その夜、正和と本田が里子たちの様子を見に行くと、里子が会社の同僚・ヒロシと歩きながら帰ってきた。

ヒロシは里子を送り届けるとすぐに帰ったが、本田は心配でたまらなかった。

正和と本田はそのまま「静」で飲んでいたが、嫉妬しまくりの本田は姿を変えてパンパンになった。

そんな中、自宅にいた亜紀子のもとに、正和への急ぎの仕事の電話が入る。

その電話を受けた亜紀子は急いで「静」に向かうが、途中の階段で魔物に足を取られて転倒してしまった

しかし亜紀子はすぐに立ち上がって店先にいた正和に仕事のことを話し、明後日までの締め切りに慌てた正和は先に走って帰宅した。

帰り道、亜紀子は自分の結婚指輪がなくなっていることに気がつき、しばらく転倒したところで探したが見つからなかった。

亜紀子はそのことを正和に伝えたかったが、仕事に追われている正和を見て黙っていた。

一方、本田が風船配りのバイトをしていると、そこに里子、浩子、ヒロシの3人が仲良くゼズニーランドにやって来た。

本田は気が気ではなかったが、そこで亜紀子そっくりの女性が別の男性と子どもと歩いているのを目撃する。

本田は不思議そうに見つめていたが、そこに浩子が風船をもらいに来たので本田は風船を全部渡した。

喜んだ浩子が「ありがとう!」と言って本田にハグをすると、本田は涙を流しながら浩子を抱きしめた。

その後、ずっと気になっていた本田は「日曜に亜紀子さんをゼズニーランドで見かけた」と正和に伝えたが、正和は『日曜はずっと一緒だった』と答えた。

やがて正和の家を出た本田は、パンパンの嫉妬状態を抑えながらヒロシに会いに行った。

本田は結局パンパン状態の姿でヒロシに詰め寄ったが、里子を愛しているヒロシの覚悟は「本物」だった。

二度と里子に近づくな!それともここで食い殺されるか!

イヤです!絶対にイヤだ!

僕は里子さんを愛しているんだ!

浩子ちゃんも本当の子供のように思っている。

里子さんたちに会えないなら、お前に食い殺されたほうがマシだ!

僕は絶対逃げない!ここで逃げるわけにいかないんだ!

その言葉を聞いた本田はその場を去り、駆けつけた正和と「静」に行った。

正和は本田がヒロシを『試した』ことに気づいており、「本田さんは本当にいい人だなぁ」と言った。

正和と本田はとことん飲むつもりだったが、正和が咳をすると「ちょっとマズいわね。何かが取り憑いてるみたい」と女将に注意される。

さらに女将は「命に関わる」と真剣な表情で話し、玄関に貼っておけば幽霊が入ってこられない『退魔の御札』を正和に渡した。

帰宅した正和は早速玄関に貼り付けたが、なんと亜紀子が家に入れなくなった。

亜紀子は階段での転倒で命を落としており、半信半疑だった亜紀子も自分が「霊体」であることを理解した。

また、不思議なことに亜紀子の「遺体」が行方不明になっており、正和は亜紀子の体を探しに行こうとする。

しかし正和は咳をしながら突然倒れ、そこに死神が遅れてやってくる。

すると死神は正和の体調不良の原因を亜紀子に説明し、亜紀子を『黄泉の国』に連れて行こうとした。

影響出ちゃってっかなぁ…

実は色々バタついてたんで、亜紀子さんの進退が決定するまでの生命エネルギー、

ご主人のほうから徴収させていただいてたんすよ。

やがて自分のせいで正和の寿命を縮めたくない亜紀子は、黄泉の国へ行く決断をして正和に置き手紙を残した。

その後、手紙を読んで状況を把握した正和は、全力で亜紀子を追いかけた。

正和は駅に向かう亜紀子になんとか追いついたが、亜紀子の決意は固く、黄泉の国へと旅立っていった。

亜紀子なしで長生きしたって何だっていうんだ。

寿命が多少短くなったって、僕は亜紀子と一緒にいたい!

でも私、もう幽霊なんだよ。

幽霊でも亜紀子は亜紀子だ。僕の妻だ!

先生、私すっごくうれしい。

でもね、やっぱり黄泉の国に行きます。

先生…ありがとうね。

翌日、納得できない正和は亜紀子の体を探すため、亜紀子が亡くなった場所を探しまわっていた。

するとそこに死神が現れ、正和は仕事に追われてばかりで亜紀子を構ってやれなかったと深く嘆いた。

すると死神が「あんなに寿命も残っているのに…」とつぶやき、正和は死神と口論になる。

どういうことなんだよ?

いや…こんなに早くあっちに逝く人じゃなかったってことですよ。

ああいう状態だったんで、あちらに逝くっていう決定にはなりましたけど…

いい加減な仕事してんじゃねえぞ!

間違ってないんすよ!

遺体が見つからないんだから、どうしようもないじゃないすか!

そんな中、正和はふと本田の話しを思い出した。(亜紀子をゼズニーランドで見かけた)

そこで亜紀子の体が別の魂に乗り移られていると気付いた正和は、自身が顧問を務める「心霊捜査課」に協力してもらう。

嗅覚に自信がある稲荷刑事はキツネの血を引いており、亜紀子のセーターのにおいを嗅ぎながら場所を絞っていった。

すると正和が亜紀子の体を発見し、正和たちはその家を訪問した。

その家では妻が事故で亡くなっており、心残りの妻の魂が亜紀子の体に入っていた。

この子のことが心配で心配で、魂になってさまよっていたところ、

“こっちだ”っていう声が聞こえて、そこに奥さんの体が倒れていたんです。

それで、ほんの少しだけお借りしようと…

少しじゃないじゃないか!

こうして亜紀子の体は見つかったが、亜紀子の魂は「黄泉の国」。

正和は今度は亜紀子の魂を取り戻すため黄泉の国へ行く決意をし、そのことをキンに報告した。

黄泉の国へ行く方法は『甲滝五四朗』の未発表原稿に書かれていたが、問題はその小説が『未完』で帰り方は直接本人に聞くしかなかった

やがてキンは正和を送り出すことに納得し、一枚のメモを手渡した。

するとそこには、黄泉の国で暮らしている甲滝五四朗の住所が書かれていた。

驚いた正和が「なんでこんな物を?」と聞くと、キンは「それは坊っちゃんがご自身で…」と答えた。

そして魔界松茸を食べて幽体離脱した正和は、現世駅から黄泉行きの電車に乗った…。

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「DESTINY 鎌倉ものがたり」結末

黄泉の国は、人の感じ方によって姿が変わる不思議な場所

黄泉の国に到着した正和がその光景に驚いていると、同じ電車に乗っていた死神が「ここは悪いところではない」と言った。

ここは先生の思い描いた黄泉の国なんす。

人間には誤解されてますがね、

黄泉の国っていうのは次の人生に生まれ変わるまでのちょっとした休憩の場所なんです。

生前によっぽど悪いことしてなけりゃね。

その後、別の死神がやって来て「亜紀子の死」について報告すると、死神は「やはりそうかー」と言った。

死神局は変なことが重なっている亜紀子の死を調査しており、裏で糸を引いていた犯人が『天頭鬼(てんとうき)』だと判明する。

人はね、転生する時に欲とか自意識とか色んな物を脱ぎ捨てていくんすがね、

そういうものがいつしか凝り固まって意識を持ち始めて…

そういうやっかいな存在…

これが亜紀子さんにいたくご執心で。

その後、正和は死神に案内してもらって甲滝五四朗宅を訪ねた。

するとその家には正和の母と甲滝が住んでおり、疑惑が確信に変わった正和は肩を落とした。

しかし甲滝は「俺だよ、俺」と言って眼鏡をかけて帽子をかぶった。

すると次の瞬間、正和は「ええええ~っ!」と驚き、甲滝が自分の父・宏太郎だと理解した。

宏太郎は作家になりたかったが、父の反対で学者として働いていた。

しかし、夢を捨てきれなかった宏太郎は家を出ては変装し、別の家で甲滝五四朗として活動していた。

正和は小説が『未完』の理由を訪ねると、宏太郎は「やっぱり親子だな」と言った。

宏太郎も正和の母・絵美子を取り戻しに黄泉の国へ来ていたが、連れ返す方法が分からないまま黄泉の住人になっていた。

正和は長年の疑問が解決してほっとしたのも束の間、宏太郎から天頭鬼と戦う方法を教えてもらう。

黄泉の国は人の感じ方によって姿が変わるため、宏太郎は『作家なら想像力で戦うんだ』と正和に言った。

すると宏太郎はイメージで物体の形を変化させ、その不思議な現象を見ていた正和は勇気づけられた。

その後、天頭鬼の屋敷に潜り込んだ正和は亜紀子との再会を果たしたが、すぐに足音に気づいて柱の陰に隠れた。

姿を現した天頭鬼は亜紀子に「結婚」を迫るが、亜紀子は「私の相手は正和さんだけです!」ときっぱり断った。

天頭鬼は何世代も前の前世から亜紀子にご執心だったが、亜紀子と正和は何回生まれ変わっても『夫婦』になっていた

やがて天頭鬼たちが去り、それを聞いた正和と亜紀子は改めてお互いが大切な存在であることを認識した。

だからか…初めて亜紀子に会った時すぐに分かったんだ。

やっと会えたって…

この気持ちはずっとずっと前からだったんだ!

一方、天頭鬼は隠れていた正和に気がついており、2人はすぐに囲まれて戦うことを余儀なくされる。

すると天頭鬼は自分の折れた牙を指差し、正和に『覚えていないのか?』と言った。

正和は転生して記憶がなかったが、生まれた時に握っていた牙は正和が折った『天頭鬼の牙』だった。(キーホルダー)

やがて正和はイメージして作った竹刀で戦うが、手下たちは倒せても天頭鬼には歯が立たなかった。

すると正和はイメージで電車を作り、亜紀子を乗せて駅から逃走した。

しかし天頭鬼のスピードは早く、電車を破壊された2人はすぐに捕まってしまう。

ついに正和を捕らえた天頭鬼は、亜紀子に『正和を殺すか、永久に夫婦となるか』の選択を突きつけた。

正和は天頭鬼に握りつぶされそうになりながら必死に止めたが、亜紀子はやむを得ず天頭鬼と夫婦になることを誓おうとした。

すると次の瞬間、猛烈なスピードで飛んできた貧乏神の『茶碗』が天頭鬼に強烈な一撃を与えた。

なぜ人間ごときがそんな物を?

それは神々の道具だぞ!

その神様にもらったのよ!

さらに、形を変えた茶碗は正和と亜紀子を包み込んで空に舞い上がり、2人はそのまま茶碗に乗って「現世」に戻ることができた。

やがて2人を乗せた茶碗は元の姿に戻り、2人の到着を見届けたかのように割れてしまった。

現世に戻った2人はキンと本田に迎えられたが、亜紀子はカエル男の本田を見て「えーと…誰?」と言った。

その後、正和は父・宏太郎のペンネームの謎を調べ、簡単なアナグラム(文字の並び変え)であることを解明した。

一方の亜紀子は助けてくれた貧乏神の茶碗を修復し、2人の穏やかな生活も元通りになった。

亜紀子、僕も黄泉の国に行けてよかった。

いつか私も、お母さんみたいに先生を支えられるかな?

もう十分、支えてくれているよ…。

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